食と健康
スーパーに並ぶ醤油は、どれも同じに見えるかもしれません。でも実は、昔ながらの製法でじっくり醸造されたものと、アミノ酸液を混ぜて短期間でつくられたものが、同じ「醤油」として棚に並んでいます。知っておくだけで、選択肢が変わる知識をお伝えします。
◆ 醤油って、どうやってつくられるの?
本来の醤油づくりは、シンプルです。大豆・小麦・塩を混ぜて麹をつくり、食塩水と一緒に大きな桶に仕込む。そのまま麹菌・酵母・乳酸菌の力を借りながら、6〜8ヶ月かけて発酵・熟成させます。その過程でゆっくりと色づき、あの香りと旨みが生まれます。
これが「本醸造方式」と呼ばれる、昔ながらの製法です。
◆ じつは、3種類の「つくり方」がある
醤油のつくり方は、JAS(日本農林規格)によって3つに分けられています。ラベルの「名称」欄に、必ず記載されています。
✔ おすすめ
本醸造(ほんじょうぞう)
大豆・小麦・塩だけで、6〜8ヶ月かけて発酵。余計なものを加えない、伝統的な醸造方法です。
混合醸造(こんごうじょうぞう)
発酵の途中でアミノ酸液を加え、短い期間で旨みを補います。地域によっては好まれる風味があります。
混合(こんごう)
できあがった醤油にアミノ酸液を後から混ぜてつくります。発酵の工程がほぼないため、短期間・低コストで製造できます。
◆ 「安い醤油が悪い」ということではありません
混合方式の醤油も、きちんとJASの基準に基づいてつくられています。九州や北陸では、こうした甘みのある醤油が地域の食文化として長く親しまれてきました。
大切なのは、「自分が何を選んでいるかを知ること」。知った上で選ぶのと、知らないまま選ぶのとでは、まったく違います。
甘口醤油には、甘草・ステビア・サッカリンなどの甘味料が使われていることがあります。原材料名に見慣れない表示があるときは、製造方式もあわせて確認してみてください。
◆ ラベルの裏、ここだけ見てください
難しいことは何もありません。買う前に、ラベルの裏をひと目見るだけでOKです。
「名称」欄を見る 「こいくちしょうゆ(本醸造)」のように、括弧の中に製法が書いてあります。
原材料名がシンプルかどうか 本醸造のものは「大豆(または脱脂加工大豆)・小麦・食塩」だけのことが多いです。見慣れない添加物が多いほど、後から味を足しているサインです。
JASマークと等級 JASマークのついた醤油には「特級・上級・標準」の等級が表示されています。品質の目安のひとつです。
ラベルの例名称:こいくちしょうゆ(本醸造)
原材料名:大豆(国産)・小麦・食塩
↑ これがいちばんシンプルで、本物に近いサインです。
◆ 小さな醸造所の醤油を、一度手に取ってみてほしい
日本各地には、昔ながらの木桶や蔵でじっくり醤油をつくり続けている小さな醸造所がたくさんあります。大量生産ではつくれない、土地の風味と人の手のぬくもりが詰まった一本です。
栓を開けたとき、ふわっと漂う深い香り。料理に使ったとき、丸みのある旨みと後を引くコク。それは、本醸造でしか味わえない「本物の証」です。
【まとめ】知って選ぶことが、毎日の食卓を変える
本醸造の醤油は、大豆・小麦・塩だけで発酵させた伝統的な一本
ラベルの「名称」と「原材料名」を見れば、選び方がわかる
小さな醸造所の醤油には、大量生産では出せない香りと旨みがある
毎日使う調味料だからこそ、知った上で選ぶことが大切
便利な世の中だからこそ、素材からこだわった醤油を選ぶことは、自分自身と家族を大切にするということ。ぜひ一度、本醸造の本物の醤油を手に取ってみてください。

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